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第2部 (機関投資家との対話)

第2章 内外機関投資家と議決権行使

1.誰が行使判断を行っているのか

 資金拠出者から資金を委託され、運用を行っている機関投資家(実質株主)は、運用とセットで議決権行使も委託され、議決権行使の判断を行っていることが多い。日本ではほとんどがこのパターンである、しかし、これとは別のパターンも存在する。

 具体的には、@資金拠出者(資金委託者、資金の出し手)が資産運用と議決権行使判断を別々の機関に委託する、A運用を外部に委託している年金基金等の資金拠出者が議決権行使判断は委託せず、自ら判断を行う、B資金拠出者が自ら資産運用と議決権行使判断を行うという3つである。運用委託先が複数以上あり、同じ企業に投資する可能性がある場合には、同じ議案に対する判断が運用委託先によって分かれる可能性がある。運用委託先と議決権行使判断委託先を分ける、あるいは自らで全ての判断を行うのは、資金拠出者が同じ資金なのに判断が分かれるという事態を回避することを企図しているのである。

 @はガバナンス・オーバーレイとも呼ばれており、最近この手法をとる資金拠出者が欧州の公的年金を中心に増えている。アイルランドやデンマークの国民年金基金等がこの例である。

 Aの代表格はカルパースことカリフォルニア州公務員退職者年金基金(California Public Employee Retirement System 略称CalPERS)であるが、自ら判断を下すにはそれなりの知見とスタッフが必要で、この手法をとる先は必ずしも多くない。

 Bも同様に少数派であるが、クレフこと米国の大学教職員退職者年金基金(College Retirement Equity Fund 保険共済部分も含めてTIAA-CREFと称されることも)がこの代表例であろう。カルパースもここ数年外部への運用委託を減らして、自家運用に大きくシフトしており、Bに近づきつつある。

 日本でも企業年金連合会(略称企年連、英語ではPFA)が自家運用分については自ら議決権行使判断を行っているが、2012年3月末の企年連の日本株式自家運用残高は6,334億円で、3.9兆円弱の内外株式資産の約16%にとどまっており、大半は外部の運用会社に議決権行使とセットで運用を委託している。企年連は独自に定めた議決権行使方針と議決権行使ガイドラインを保有しており、外部委託先運用機関に対してもそれを反映するよう求めているが、運用機関によって行使判断は一様ではない。


以下本書に続く


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山崎 明美


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