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第1部 (序章)

第1章 総論

1.機関投資家とその「投資」に関する理解

 個人の自己責任で投資をするのが「個人投資家」であり、「機関」としての責任をもって「投資」をするのが「機関投資家」である。では投資とは何か?本書の本質にかかわることではあるが、メインテーマではないので、短めに寄り道する。

 もっとも短く定義すると「投資とはお金に仕事をさせること」となる。著名投資家、ジョージ・ソロスの言葉を借りれば、「投資の本質は将来を予測すること」にある。ドラッカーの言葉には「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。未来を予測しようとすると罠にはまる」というものがあるが、実際に1992年にイングランド銀行を破たんさせた時にジョージ・ソロスがとった、一般には投資ではなく投機といわれる行動は将来を創った行為であったと見ることが出来る。お金に仕事をさせるには様々な方法があり、期待する結果も様々ではあるものの、元手となった資金が仕事をした結果、将来的に交換価値が増大した形になることを投資家は期待するのである。機関投資家については、本質的には、年金や投資信託の受益権を有する個人が、集団で「投資」をしているに等しい機関であると理解したほうがわかりやすい。

 ここから先、本書においては様々な投資のうち「株式投資」に絞り込んだ議論を展開することになるが、株式への投資とは、「投資家が株式発行企業に対して持つ権利を、その後自由に売買できるという前提のもとに買うこと」で、株価はその権利の値段である。1963年の段階で、株主を企業の所有者(OWNER)と明記した前述の「INVESTOR RELATIONS: THE COMPANY AND ITS OWNERS」(アメリカ経営協会)では、株主の権利として、大きく以下の三つに分類している。

  1. 会社に託した自分たちの投資がどのようになっているかについて絶えず包括的な報告を受ける権利
  2. 株主総会で提出された議案について十分説明を受けて賛否を投ずる権利
  3. 保有株が公正な価格でいつでも売れることを期待する権利

 機関投資家には、投資の将来価値に期待する個人の受益者集団を代表する立場で、専門職業的投資家(つまり投資のプロフェッショナル)として、会社からの包括的な報告を株主、または潜在的株主として分析評価し、議決権株主であれば株主総会に提出された議案を精査して賛否を検討し、保有する株式の市場性を評価する能力と責任が求められている。機関投資家を理解するためのキーワードは「受託者責任」である。

 ここで「機関投資家の重層構造」についてはあらかじめ少し触れておくべきであろう。


以下本書に続く


JSS
今出 達也


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