IR・SR(Shareholder Relations)総合支援、株主判明調査、議決権行使対応、コーポレート・ガバナンス

JSS 日本シェアホルダーサービス株式会社
  • サイトマップ
  • English
ホーム  > 株主と対話する企業  > オランダ大手年金基金がダイベストメントリストを公表

コラム


オランダ大手年金基金がダイベストメントリストを公表
2014年1月21日号

 オランダ最大手年金基金ABPと第二位のPFZWの傘下投資顧問会社PGGMは、それぞれ「ダイベストメント」リストを公表し、リスト掲載銘柄に対する投資引き揚げを実施することとしました。(ダイベストメントについては、このコラムの第13回でも取り上げていますのでご覧くださいhttp://www.jss-ltd.jp/kabukai/column0013.html

 ABPは公務員・教職員向け年金基金で、世界で5本の指に入る巨大な資産規模を誇る年金基金です。先日東京電力の株式を売却したと日本でも報じられましたが、これが、ダイベストメントリスト公表ということだったのです。今回対象となった銘柄は東京電力を含め、以下15銘柄です。大半はクラスター爆弾や対人地雷などの武器製造を手掛ける企業で、それ以外では、東京電力、ペトロチャイナ(中国)、ウォルマート(米国)が人権・安全などで国連グローバルコンパクト(注)に反するとして、投資除外対象となりました。この詳細は続編でお届けします。

 ABPは時間をかけて各企業と対話を行ってきたものの、問題が改善されないと判断して除外対象としたものです。リスト公表は2014年1月9日ですが、既に1月1日までに投資引き揚げは完了しているとのことです。


出所:ABPウェブサイトより筆者作成
http://www.abp.nl/images/01.0023.14A%20(2)_tcm160-165459.pdf
http://www.abp.nl/over-abp/nieuws/2013/ABP-belegt-niet-meer-in-japanse-tepco.asp (オランダ語)

 一方、医療・福祉従事者向け年金基金PFZWの資金を運用するPGGMは1月8日付でイスラエルの銀行5行に対する投資を引き上げ、今後投資しないと発表しました。

https://www.pggm.nl/english/what-we-do/Documents/Statement%20PGGM%20exclusion%20Israeli%20banks.pdf (英語)

 対象となったのはBank Hapoalim, Bank Leumi, First International Bank of Israel, Israel Discount Bank, Mizrahi Tefahot Bankの5行で、その理由はパレスチナ問題に関するジュネーブ協定違反としています。これについてイスラエル政府は同国に駐在するオランダ大使を呼んで、抗議したと報じられました。オランダ外務省は、本件はPGGMが独自に行った判断であり、オランダ政府の政治的な判断ではないとしています。イスラエルではPGGMがチベット問題を抱える中国の銀行に対しては、ダイベストメントを行っていないのにイスラエルの銀行だけを狙い撃ちしたとして、問題視されているようです。
 ABP、PGGMとも対話を行ってきた結果の判断であり、今後も対話を続けていくことと、今回の判断で、企業の対応が変化すれば、また投資対象とすることもあり得るとしています。

(注)国連グローバル・コンパクト(UNGC)は、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止を謳う国連のイニシアティブです。

日本シェアホルダーサービス(株)
山崎 明美

本資料は弊社の著作物であり、著作権法により保護されております。弊社の事前の承諾なく本資料の一部または全部を引用、複製または転送等により使用することを禁じます。