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コラム


ノルウェー政府基金の悩み
2013年9月27日号

 先日行われたノルウェー王国の総選挙は野党連合が与党の労働党を破り、8年ぶりに現政権が下野することになりました。野党保守党のエルナ・ソルベルグ氏が10月中旬に首相に就任見込みで、正式に就任が決まれば同国で二人目の女性首相誕生です。

 ノルウェーは北海油田を擁し、資源大国として好景気を享受しています。石油収入で政府の財政は健全ですが、資源輸出で通貨高になるため、工業などの産業が競争力を失いつつあり、英エコノミスト誌のいう「オランダ病」になっているとの指摘もあります。ともあれ、財政は黒字で、逆に資金をどう運用するのかが今の悩みというわけです。

 石油収入等の資金は政府年金基金グローバル(Government Pension Fund Global)が運用しています。9月末の資産は約77.7兆円(4兆6,824億7,460万4,406クローネ、10/1付TTS 1ノルウェークローネ=16.59円で換算)で、ノルウェーの年間国家予算額の4倍近い資産を保有しており、さらに資金は増え続けています。実際の運用・管理は中央銀行であるノルジズバンク傘下の投資顧問会社であるノルジズバンク・インベストメント・マネジメントが財務省の委託を受けて行っていますが、一部は同社を通じて国内外の運用機関にも再委託されています。国連責任投資原則(PRI)に署名し、ESGにも熱心で、ダイベストメントも行っています。

 基金は巨大であるだけに、影響力も大きく、総選挙の争点の一つにもなっていました。今回政権を奪取したソルベルグ党首は、分割して運用すべきという意見です。分割して競争させることにより、運用成績を安定的に向上できるのではないかという考え方のようです。ただ、すでに同様の目的で分割運用されているスウェーデンの公的年金基金であるAP Fonden(現在1,2,3,4,6,7の6つの基金が存在しており、このうちスウェーデンを中心とした非上場株投資専門の6と財源の性格が異なる7を除く1から4が運用を競う形となっている)は数年前からむしろ統合すべきではないかという議論が出ています。結局横並びになってしまい、リスク分散にも競争にもあまりなっていないためです。ノルウェー新政権の今後の動きには注目しておく必要がありそうです。

 政府年金基金グローバルの概要はこちらからどうぞ(在ノルウェー日本大使館作成資料)
 http://www.no.emb-japan.go.jp/Japanese/Nikokukan/nikokukan_files/pension_fund_global.pdf

 オランダ病についてはこちらをどうぞ
 http://www.nikkei.com/money/investment/toushiyougo.aspx?g=DGXIMMVEW4003007122009000001

日本シェアホルダーサービス(株)
山崎 明美

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