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コラム


アクティビズムについて考える
2013年6月10日号

 米国の巨大ヘッジファンドサードポイントがソニーに対して事業の分離等を提案した件は国内のみならず、海外でも大きな驚きをもって受け止められています。サードポイントは今年の4月末で1兆3000億円弱の資産を運用する巨大運用会社の一つで、資産の1割程度をアクティビズム戦略に振り向けています。

 「アクティビズム」や「アクティビスト」というと日本においては利益をむしりとっていく「ハゲタカ」的なイメージが大変強いのですが、本来は個人の活動家が活動するという意味なので、米国のカール・アイカーンのような人が本来的なアクティビストといえるのでしょう。レオスキャピタルワークスCIOの藤野英人氏の近著に、「投資家がお金よりも大切にしていること」という本がありますが、それには日本人はハゲタカファンドを嫌うけれど、日本の投資家が行っている海外投資等はまさにハゲタカ的である、という趣旨の記述があって驚きました。確かに新興国株式が流行ればワーッと新興国株式を買い、長期的に企業の成長性を見るというより、ある程度収益が上がったらさっさと売り抜けたり、ちょっと下がったらパニックになって売り浴びせたり、というのでは、そう思われても仕方がないのかもしれません。

 とはいえ、欧米の機関投資家も「アクティビスト」という言葉の印象が悪いことを承知しており、モノ言う投資家・株主が自らアクティビストですと自己紹介することはまずありません。特に年金基金などを運用するモノ言う投資家の大半は「アクティブな投資家」とか、「責任ある投資家」という言い方をしますね。もちろんモノ言う投資家イコールアクティビストではないですし、サードポイントのように資金の一部のみアクティビズム戦略に振り向けている年金基金や投資信託、ヘッジファンドなどもたくさんあります。とはいえ、まじめであるがゆえにモノを言う投資家と運用戦略としてモノ言う投資家の発言内容に差がないことも、わかりづらい一因かもしれません。

 投資家として企業と対話する(ダイアログ)ことや、対話して良い方向に持っていくよう努力する(エンゲージメント)こともアクティビズムの発露ではあります。国連責任投資原則の広がりや、先週ご紹介した(統合報告)も、投資家と企業のダイアログ・エンゲージメントを促進しており、この方向性はまず逆戻りしないと考えられます。企業にとって耳の痛い意見や、会社や日本の状況をよくわかっていない的外れな意見もあるかもしれませんが、上場している以上は株主・投資家との対話は必須です。詳しくはぜひ「株主と対話する企業」をご覧ください。

ご参考 http://blogos.com/article/60523/

日本シェアホルダーサービス(株)
山崎 明美

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