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コラム


もうひとつの〈IR〉
2013年5月28日号

 “IR”と聞いて何を思い浮かべますか。「それってインベスターリレーション(投資家向け広報)でしょ?なにをあたりまえなことを」と思われる読者の方が多いのではないかと思います。確かにインベスターリレーションの略語としてのIRはかなり浸透してきたと思います。日本IR協議会をご存じの方も多いでしょうし、学会も出来ています。資本市場にかかわる方の認知度はそれなりに高いのではないかと思います。

 でも、最近台頭しているもう一つのIRがあるんです。その名も〈IR〉。わざわざ括弧をつけているところがなんとも微妙なところですが、Integrated Reportingつまり、日本語では統合報告といわれるものです。4月にその統合報告のコンサルテーションフレームワーク草案が4月に公表されました。(http://www.theiirc.org/consultationdraft2013/) 
 現在草案に対するコメントを募集中で、7月15日が締め切りです。コメントを踏まえて、今年の12月には正式なフレームワークを公開する予定とのこと。今回の草案については日本公認会計士協会が日本語訳を公開していますので、ご興味ある方はこちらのウェブサイトから内容をご確認ください。(http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1681.html)

 大変簡単に言ってしまうと、〈IR〉は財務諸表に加えてビジネスモデルやリスク、業績予想、戦略の方向性、ESG(環境、社会、コーポレート・ガバナンス)等も含め、企業の全体像を描き出していこうというものです。この〈IR〉を推進しているのが国際統合評議会(International Integrated Reporting Council 略称IIRC)です。その母体は環境問題を中心としたESG関連の情報開示基準を策定しているグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI、GRIの母体は国連環境計画UNEP)で、他に英チャールズ皇太子が名誉総裁を務めるアカウンティングフォーサステナビリティ(略称A4S)や各国の証券当局がメンバーとなっている国際証券監督者機構(IOSCO)などもIIRCのメンバーとなっています。

 このIIRCの事務局長であるポール・ドラックマン氏が6月に来日し、〈IR〉の説明会が開催されるようです。現在既に南アフリカでは上場企業に統合報告の提出が義務付けられています。このような動きがどこまで広がるのか、日本の当局や政治が動くのかは、まだはっきりしませんが、国連責任投資原則の広がり等から見て〈IR〉に関心を持っている投資家が増えていると思われます。機会があれば、一度チェックしていただくと今後のIR/SR活動に参考になると思います。

 ちなみに完全に横道にそれますが、もう一つ、日本で有名な割にIRという略称が知られていないものがあります。何かというと、国際救助隊International Rescue。つまり、テレビや映画でおなじみのサンダーバードの母体です。トレイシー一家の制服制帽をよく見るとワッペンにIRとあるのでした。お時間が出来たら探してみてくださいね。

日本シェアホルダーサービス(株)
山崎 明美

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